キョンが千葉で大量発生はなぜ?分布や生息数、シカの仲間で食べられる?

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千葉県で外来生物の「キョン(羌)」が大量発生し、農産物への被害が出ています。

また、「ギャー!」「ギョー!」など人が叫んでいるようにも聞こえるキョンの特徴的な鳴き声から、気持ち悪いといった声も上がっています。

ここではキョンが大量発生している理由、なぜ日本で増えたのか?千葉県での分布や生息数、駆除の状況、キョンを食べられるお店やジビエを販売しているお店の情報などをまとめました。

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キョンが千葉県で大量発生しているのはなぜ?原因は動物園からの脱走と天敵の熊がいなかったから

出典:Googleマップ

昭和50年代に連載されていた「がきデカ」の中で「八丈島のきょん!」というシーンがあり有名になりましたが、八丈島では八丈植物公園の中で飼育されているだけです。

キョンが千葉県で大量発生してしまったのは「20年以上前に勝浦市動物園から脱走したのが原因」と言われています。

出典:https://www.env.go.jp/nature/choju/docs/docs5-4a/pdfs/chpt4.pdf

また、キョンが千葉で繁殖してしまった理由は、千葉県には天敵となる熊がいなかったためと言われています。(上の画像は2018年度クマ類の生息調査の結果)

実際、2023年は全国的にクマが大量発生していて、目撃情報や人身被害のニュースなどが相次いでいるのに、環境省が発表している「クマの出没情報(速報値)」を見ても、クマの目撃情報はありません。

そのため、このまま千葉での繁殖が進むとクマの出没が少ない隣の茨城県へも生息域の拡大が広まる可能性もありそうですね。

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キョン2023年の千葉県内での分布や生息数は?駆除が追い付かずに増殖中

出典:https://www.pref.chiba.lg.jp/shizen/choujuu/kyon/documents/2nd_kyon.pdf

千葉県では2006年には9,200頭だったのが2012年には27,900頭、2019年には44,100頭、2022年には71,500頭まで増えたと言われています。

また、分布についても2004年には5市町村だったのが2020年には17市町村に広がったと言われています。※1

もちろん、千葉県でも対策はしてきましたが、キョンは1産1仔ですが1年を通して繁殖可能で、早ければ生後半年で妊娠し1年程度で出産します。

そのため、キョンの増殖スピードに駆除が追い付いていないのが現状のようです。

※1,https://www.pref.chiba.lg.jp/shizen/iken/R2/documents/kyon_soan.pdf

ちなみに、東京(伊豆大島)でもキョンが増殖していて、令和4年末 東京都発表のキョン推定生息数は17,190頭※2で、令和元年をピークに増殖を抑えられているようです。

千葉県とは違い、海に囲まれているので島内で生息できる頭数はある程度決まっていて、その条件下での駆除なので千葉県に比べると防除が簡単なのかもしれませんね。

※2,https://www.metro.tokyo.lg.jp/tosei/hodohappyo/press/2023/07/27/12.html

キョンの駆除で貰える報酬はいくらくらい?

  • 一宮町:捕獲=5,000円、止め刺しと死体処理=5,000円
  • 睦沢町:捕獲=7,500円
  • 長南町:捕獲:6,000円、くくりなわで捕獲なら追加で6,000円、解体費用として5,000円

キョンを捕獲・駆除した場合の報酬/報奨金について調べたところ、出てきたのは上記の通りでした。

1頭あたりの捕獲に対して6,000円程度の自治体が多いようで、その他に処理費用やワナの管理費用などを上乗せしている自治体もあるようです。

出典:https://www.city.isumi.lg.jp/material/files/group/50/choujuhigaiboushikeikaku.pdf

このあたりはクマやイノシシの報酬額に比べると少ない気もしますが、イノシシに比べると農産物の被害が少ないことや、クマのように人身被害が少ないのが理由かもしれません。

ただ、早めに手を打たないと生息域の拡大が広がってしまいます。

生息域の拡大と生息数の増加により被害が拡大する可能性は十分に考えられるので、できるだけ駆除が進むよう報奨金を上げた方が良いかもしれませんね。

熊の駆除で貰える報酬額はどれくらい?その後どうなる?食べるのは本当?
熊の駆除で貰える報酬は1頭2万円前後が多く、自治体によって変わります。駆除されたクマの多くは焼却か埋め立て処分され、一部が食肉処理工場に運ばれて食用に加工されます。
イノシシは駆除された後埋められる?報酬はいくら?かわいそうという意見も
ここでは猪が駆除された後どうなるのか?駆除された後の報酬額、かわいそうという意見の方に知ってもらいたいイノシシ被害と増加の現状についてまとめました。多くの場合、駆除されたイノシシは食べられるか埋められます。
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キョンは鳴き声で命乞いをするってマジ?

キョンは「ギョー!」とも「ギャー!」とも「ア゛ー!」とも聞こえるような鳴き声をしていて、シチュエーションによっては男性が叫んでいるようにも聞こえます。

キョンの鳴き声をYouTubeで探す

警戒心が強い動物なので基本的には山の中から聞こえることが多いんですが、確かに庭先や帰宅時に山の方からこんな鳴き声がしたら気味が悪いですよね。

捕獲して止めを刺す際も鳴くので、ハンターの中にはキョンの駆除を嫌がる人もいるそうです。

ただ、恐らく恐怖を感じた動物はみんな鳴くでしょうから、キョンが命乞いをするというよりも、キョンの鳴き声が人が叫ぶように聞こえることから命乞いをしているように感じるのかもしれませんね。

キョンはシカの仲間で食べられる?中国や台湾では高級食材ってマジ?

調べたところ、台湾では高級食材として人気があるようで、鍋やスープ、他の野菜などと炒めたりとクセが無くて色んな料理に使えるようです。

また、部位によるかもしれませんが、脂身は少なく赤身が多いんですが肉質は柔らかいそうです。

ただ、クセの有無や美味しさは鮮度や仕留めてから血抜きまでの時間や絞め方にもよるようです。この辺りはクマやイノシシも同じですね。

また、千葉ではジビエとしての利用が広まっていますが、東京(大島)では令和4年3月時点で捕獲したキョンを食用として利用することは制度上できない※ようです。

※https://izuoshima-geo.org/archives/001/202305/%E3%81%8F%E3%81%95%E3%82%84%E6%B1%81%C3%97%E3%82%AD%E3%83%A7%E3%83%B3%E8%82%89%20%EF%BD%9E%E3%81%8F%E3%81%95%E3%82%84%E6%B1%81%E3%81%AE%E5%8F%AF%E8%83%BD%E6%80%A7%E3%82%92%E5%BA%83%E3%81%92%E3%82%88%E3%81%86%EF%BD%9E%20%E7%A0%94%E7%A9%B6%E6%88%90%E6%9E%9C%E5%A0%B1%E5%91%8A%E6%9B%B8.pdf

イノシシやシカといった野生鳥獣は、牛や豚などの家畜と異なり、餌や飼養方法などの管理がされていないため、寄生虫やE型肝炎ウイルスを保有している可能性があります。また、家畜と異なり、食用に解体するときに病気の有無等の検査が義務づけられておらず、これらの動物由来の肉は、食品衛生上のリスクが高い食品といえます。

引用:https://www.hokeniryo.metro.tokyo.lg.jp/shokuhin/niku/jibie/guideline.html

これについては、食の安全といった問題もあるようですが、人間のせいで増えてしまったということもあるので、ただ殺処分するのではなく皮やお肉など命を有効に活用する術が見つかると良いですね。

ちなみに、キョンのセーム皮は高級メガネ拭きとしても人気の商品です。

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キョンの肉を使った料理が食べられる千葉県内のお店

千葉県では獣害が問題視されていて、ジビエ料理を提供するお店が増えているようですが、キョンの肉はまだ珍しいのかあまり提供している店が見つかりませんでした。

「猟師工房」ではつなぎを使わないキョンの肉100%で作ったハンバーガー(限定10食)やナゲットを食べられる他、予約制ですがキョンや鹿、猪のバーベキューもあります。(冷凍肉の販売も行っています。)

まだメニューに載せていないが、食べたい人は『キョンある?』と声をかけてほしい」と話す。

引用:https://narashino.keizai.biz/headline/200/

「喰薫酒房かをり本丸」ではまだメニューには入っていないそうですが、入荷があれば食べられるそうなので、事前に入荷状況などを確認してみると良いでしょう。

「ル・クール」でもキョンを使った料理を食べられるようですが、メニューには載っていなかったのでこちらも事前に確認した方がよいでしょう。

キョンの肉を販売するお店は?ジビエはどこで購入できる?値段はどれくらい?

イノシシやシカの食肉販売は少なくないんですが、キョンの肉を販売している店はあまり見つかりませんでした。

「館山ジビエセンター」や「株式会社Noblesse Oblige」でも取り扱いがあったようですが、入荷(搬入)があれば販売という形で常に在庫がある訳ではないようです。

予約待ちされていた飲食店の方へ卸して完売となりそうです。

引用:https://tateyamagibiercenter.com/1897/

また「館山ジビエセンター」では入荷待ちの飲食店との契約もあるようで、イノシシやシカのように気軽に購入するのは難しそうです。

千葉県のふるさと納税の返礼品にもなっているようで、内容は捕獲事業の成果により変わるようですが100,000円で以下のようになっていました。

キョン肉約800g
及びシカ肉ソーセージ(約40g×2本入り)4袋
又はキョン肉約1.5kg及び
シカ肉ソーセージ(約40g×2本入り)8袋

返礼品の還元率は仕入れ値に対して30%なので、100gあたり3,750円~2,000円程度となります。

また、ジビエを専門に扱う「ジビエマルシェ」では予約販売で2,000円~3,000円/kgとなっていました。

「館山ジビエセンター」では中型獣(キョン、アナグマ、アライグマ、ハクビシン)が100gあたり100円~1,000円となっていて、店によって値段は上下するようです。

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まとめ

キョンが大量発生している理由、なぜ日本で増えたのか?千葉県での分布や生息数、駆除の状況、キョンを食べられるお店やジビエを販売しているお店の情報などをまとめました。

元は観光資源として日本に連れてこられ、逃げ出した場所に天敵がおらず、増えたのが原因でした。

本来であれば日本には存在しない外来生物なので、早めに、かつ命を有効に活用しながら駆除を進めて欲しいと思います。

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