全国で熊の出没に関するニュースが流れ、そのたびに一定数出てくる「クマの駆除を反対し抗議やクレームの電話をする人たち」について調べてみると「一般財団法人 日本熊森協会」という団体があることを知りました。
この団体について調べたところ、本部は兵庫県でもクマの出没がほとんどない(2017年に1度だけあり※)安全な西宮市に事務所があり「あ~、やっぱりね」と思ったので他の支部についても調べてみました。
ただ、クレームや苦情の電話の多くは名乗らない匿名が多いそうなので、熊森協会の会員が電話をしているとも言い切れません。
中には熊の出没するエリアにも支部がありましたが、基本的にはほとんど出没しないエリアに支部がありました。
クマの駆除に反対し抗議やクレームの電話をする「一般財団法人 日本熊森協会」の事務所と兵庫県の熊出没エリア
「一般財団法人 日本熊森協会」の本部があるのは兵庫県でもクマの出没がほとんどない西宮市です。
冒頭でもお伝えしましたが、このエリアは2017年に1度だけ熊の目撃情報がありましたがそれもかなり山間部での話で事務所のある市街地には出ていません。(西宮市で目撃情報があった場所は下の画像にて紹介)
出典:https://www.wmi-hyogo.jp/gyousei/kuma_map.aspx?id=KW00009221&tid=m
熊が人里に降りてこないよう、どんぐりなどが不足の年には山へどんぐりをまきに行ったりする活動も行っているようなんですが、だとしたらもっと目撃情報の多いエリアに事務所を構えた方が効率的ですよね。
正直、これだけを見ると自分たちは熊の出ない安全な場所にいるようにも感じますよね。
まぁ「市街地で出たクマが駆除されないように市街地で待機している」と言われればそれまでなんですが、だとしたら川西市は目撃情報も多いので適した場所だと思うんですけどね。
出典:https://www.wmi-hyogo.jp/gyousei/kuma_mokugeki.aspx
ちなみに、2010年~2023年に兵庫県内で熊の目撃情報があった場所をまとめると上記のような感じになります。
兵庫県は山が多いので山の中で熊が目撃されるのは当然なんですが、なんでクマがほとんど目撃されない西宮市に本部を置いたんですかね。
出典:https://www.env.go.jp/nature/choju/effort/effort5/effort5-3h/tokutei/document4.pdf
ちなみに、筆者は頻繁ではないものの半径500m以内にクマの目撃情報が出るエリアに住んでいるので、クマの駆除に反対する人なんてクマがほとんど出ない九州とかの人が言っているんだろうと思っていました。(九州の方すいません…)
ですが「一般財団法人 日本熊森協会」は全国に支部があり、延べ2万人を超える会員がいるようなので全国の支部についても場所を調べてみました。
ほとんどは事務所の所在地が不明でしたが、驚いたのは熊の目撃情報が多い都道府県でも支部があったことです。
ただ、本部のように事務所があるわけではなく、ほとんどんは各県に代表者がいて会員と会合や活動を行っているようです。
ここからは所在地が分かった支部をご紹介します。
支部 | 住所 |
---|---|
北海道支部 | 不明 |
青森県支部 | 弘前市 |
宮城県支部 | 富谷市 |
群馬県支部 | 高崎市片岡町 |
栃木県支部 | 不明 |
埼玉県支部 | さいたま市緑区 |
東京都支部 | 東京都世田谷区砧8丁目21−1 |
神奈川県支部 | 不明 |
山梨県支部 | 不明 |
新潟県支部 | 不明 |
石川県支部 | 不明 |
長野県支部 | 不明 |
岐阜県支部 | 会合は岐阜市内がメイン |
三重県支部 | 不明 |
愛知県支部 | 不明 |
滋賀県支部 | 大津市赤尾町 |
和歌山県支部 | 不明 |
大阪府支部 | 不明 |
鳥取県支部 | 鳥取県西伯郡大山町殿河内754-95 |
岡山県支部 | 不明 |
山口県支部 | 不明 |
高知県支部 | 不明 |
愛媛県支部 | 不明 |
徳島県支部 | 不明 |
福岡県支部 | 北九州市八幡西区永犬丸西町3-16-14-102 |
宮崎県支部 | 延岡市北浦町三川内4566 |
熊本県支部 | 熊本市魚屋町2-21 |
熊森協会 青森県支部の場所とクマの目撃情報
出典:https://www.city.hirosaki.aomori.jp/sangyo/nogyo/2023-0605-kuma-map-R5.html
熊森協会 青森県支部は弘前市にあるようなので、弘前市でのクマの目撃情報を調べてみました。
弘前市自体はこんな形で、ほとんどが山のふもとや山の中で目撃されています。
弘前市のどこに拠点があるのか分かりませんが、目撃情報に対していちはやく駆けつけるためにも山のふもとに拠点があると思いたいですね。
熊森協会 宮城県支部の場所とクマの目撃情報
熊森協会の宮城県支部は富谷市にあるようなので、目撃情報を調べたところ令和4年度の目撃マップがみつかりました。
やはり目撃情報があるのはほとんどが山の中かふもとですね。
事務所の詳しい場所などは分かりませんでしたが、仙台市に面したエリアは熊の目撃情報がないので、会員の方はどの辺に住んでいるのか気になりますよね。
熊森協会 群馬県支部の場所とクマの目撃情報
熊森協会の群馬県支部は高崎市片岡町にあるようです。
「クマ出没群馬県高崎市」に高崎市でのクマ目撃情報がまとめられていますが、片岡町は入っていませんでした。
目撃情報によれば吉井町、倉渕街、中室田町上の原、箕郷町善地、倉渕町川浦、高浜町鳥井沢、吉井町上奥平などで目撃されています。
片岡町のすぐ横にあるのが目撃情報のあった吉井町上奥平ではあるんですが、目撃情報があったのは山の中のようでふもとまでは降りてきていないようです。
片岡町から吉井町上奥平は直線距離で2㎞ほどなので、けっこう身近な距離でクマが出没しているんですが、それでもクマを守る運動をする人がいるのは驚きです。
熊森協会 埼玉県支部の場所とクマの目撃情報
熊森協会の群馬県支部はさいたま市緑区にあるようです。
埼玉県では例年100件を超えない程度でツキノワグマが出没しているようですが、主な出没エリアは西部、北部、秩父地域です。
さいたま市内でも猿の目撃情報はあるようですが、クマの目撃情報はありませんでした。
秩父市が最も目撃情報が多いようなので、支部を移動した方が現場にいち早く駆けつけられると思うんですがどうなんでしょうか。
正直「熊の恐怖を感じにくい安全な場所」と言われてしまっても仕方ない場所かと思います。
熊森協会 東京都支部の場所とクマの目撃情報
熊森協会の東京都支部は都内の動物病院が事務所になっているようです。
世田谷区でも猿の目撃情報はありますが、クマの目撃はほとんど奥多摩、檜原村など八王子市周辺です。
会員の方は近くでクマの出没に関する防災無線を聞いたことがない方々なのかなと思ってしまいますよね。
これでは「熊の恐怖を感じにくい安全な場所」と言われてしまっても仕方ない場所かと思います。
熊森協会 岐阜県支部の場所とクマの目撃情報
出典:https://www.pref.gifu.lg.jp/uploaded/attachment/351328.pdf
熊森協会の岐阜県支部は岐阜市内で会合をし、県内で活動しているようです。
クマの目撃情報をみるとクマが大量出没した2019年に2件、2015年~2018年には1件岐阜市内でも目撃情報がありました。
詳しい目撃場所などは分かりませんでしたが、岐阜市内には山もあるので恐らく山のふもとで出没したのではないかと考えられます。
やはり飛騨や高山など頻繁に出没するエリアに住んでいる方からすると「そっちは安全だから良いよね」と思われてしまうのは仕方ないことだと思いますよね。
熊森協会 滋賀県支部の場所とクマの目撃情報
熊森協会の滋賀県支部は大津市赤尾町にあるようです。詳しい住所もありましたが、代表者の個人宅かもしれないので伏せておきます。
大津市は市内でもけっこうツキノワグマの目撃情報があるので、恐らくニュースなどでも頻繁に出てくるかと思うんですが、令和2年からのデータを調べたところ赤尾町では目撃情報が見つかりませんでした。
すぐ近くの国分でも目撃情報はあるんですが、滋賀県でクマの出没が多いのは高島地方なので、高島地方に住んでいる方からすると「何言ってんの?」と思われてしまっても仕方ないですね。
熊森協会 鳥取県支部の場所とクマの目撃情報
熊森協会の鳥取県支部は鳥取県西伯郡大山町殿河内754-95に事務所があるようです。
鳥取県のHPには令和元年からのクマ目撃・痕跡情報がありました。上記は令和5年だけのデータのようで、過去もさかのぼってみると事務所のある大山町でも目撃情報がありました。
クマが出没するエリアでクマの駆除に反対する人がいるのは驚きですが、鳥取県でクマの出没が多いのは鳥取市や八頭郡なので、頻繁に出没するエリアに住んでいる方から反感を買ってしまうかもしれませんね。
熊森協会 福岡県支部の場所とクマの目撃情報
熊森協会の福岡県支部は福岡県北九州市八幡西区永犬丸西町3丁目16−14に事務所があるようです。
福岡県ではクマが絶滅したと言われていて、2012年にはレッドリストから既に絶滅したとして九州地方のツキノワグマがリストから削除されました。
そのため、福岡県でのクマの目撃情報を調べてみましたがニュースなど信ぴょう性のある目撃情報はありませんでした。
こういった背景もあって、クマを守りたい気持ちは分かるんですが、クマを駆除している地域は山にクマが増えすぎて、縄張り争いに負けたクマが食料を探して人里に降りてきています。
むやみやたらに山に駆除しに行っているわけではなく、農産物や人的被害も出ているため駆除しているので、全く状況が違うことを理解して欲しいですね。
熊森協会 宮崎県支部の場所とクマの目撃情報
熊森協会の宮崎県支部は延岡市北浦町三川内4566に事務所があるようです。
宮崎県もツキノワグマが生息していましたが、既に絶滅したと言われています。
そのため、宮崎県でのクマの目撃情報を調べてみましたがニュースなど信ぴょう性のある目撃情報はありませんでした。
こういった背景があるとクマを守りたい気持ちは分かるんですが、駆除しているエリアでは頻繁にクマが出没し、農作物や人身事故が起きています。
クマが絶滅した地域とでは状況が異なることを理解して欲しいと思います。
熊森協会 熊本県支部の場所とクマの目撃情報
熊森協会の熊本県支部は熊本県熊本市中央区魚屋町2丁目21が事務所になっているようです。
熊本県でもツキノワグマが生息していましたが、既に絶滅したと言われています。
そのため、熊本県でのクマの目撃情報を調べてみましたがニュースなど信ぴょう性のある目撃情報はありませんでした。
上記に加えて熊本県のマスコットがクマモンであったり、件名に熊が入っているので駆除に賛成できない方の気持ちは分かりますが、クマを駆除している地域とでは出没頻度や被害が全く異なることを理解して欲しいと思います。
「一般財団法人 日本熊森協会」の主な活動
- 奥山のナショナル・トラスト
- クマの生息地の自然環境調査
- クマの人身事故現場の調査、事故予防対応
- クマの生息状況調査や生態調査
- クマの保護飼育
- 野生動物の捕殺ではない対応策を提言
- 外来動物問題への取り組み
どうも調べてみると本部のある兵庫県では過去にツキノワグマが絶滅の危機になった時期があったようで、1992年に尼崎市の中学校で「クマの絶滅を止めよう」という運動が始まったのがきっかけのようです。
ですが近年ではツキノワグマの生息数が安定してきて狩猟を解禁しています。
兵庫県は12日、ツキノワグマの狩猟を3年ぶりに解禁し、猟期期間を11月15日~12月14日にすると決めた。生息数維持のため禁止していたが、隣接府県を含む東西二つの地域で推定生息数が解禁基準(800頭以上)を上回った。
引用:https://www.kobe-np.co.jp/news/sougou/202209/0015634587.shtml
ナショナル・トラストとは寄付などでお金を集めて自然を買い取り、開発から守る活動です。
国内でもメガソーラーに失敗してはげ山を作っていますし、木々を切り倒してソーラーパネルを設置するわけですから、クマのエサが無くなる原因とも考えられるので、これはとても良い活動ですよね。
人里に現れたクマを仕方なく駆除しているところにわざわざクレームや批判の電話をするのは行き過ぎた行為だと思います。
クレームや苦情の電話の多くは名乗らない匿名が多いそうなので、誰が苦情電話をしているのかも分かりません。
実際にこういった活動をしている団体もあるので、クレーム電話をしている方は寄付による森林保全などを考えて欲しいと思います。
まとめ
ここでは一定数いる「クマの駆除を反対する人たち」について調べると「一般財団法人 日本熊森協会」という団体があることを知りました。
どうせクマが身近にいない人が安全な場所からクレームを入れているんだろうと思い、活動拠点などを調べてみました。
一部クマの出没するエリアにも事務所がありましたが、ほとんどは熊の出没がほとんどない安全地域に事務所がありました。
熊の駆除に対してクレームの電話を入れるのは行き過ぎた行為ですし、寄付という形でクマの住む森を守ることもできます。
熊の駆除に反対する人の中には猟友会が「クマを駆除して荒稼ぎしている」といったことを言っている人もいるようですが、実際は1頭に対して2万円程度しかもらえないようです。
コメント
去年害獣駆除でツキノワグマを6頭やりましたが、一銭ももらってませんよ。
そもそも論年収が300万円が勝ち組の熊出没エリアにあってお金がたくさん貰えるなら
若者がもっとハンターになってます。現状50代で若手ですよ。
現場の貴重な情報をありがとうございます!
ハンターになる人も減っていますし、高齢化も進んでいるのでより多くの人に現実を知って欲しいと思います!