大阪関西万博の公式キャラクター「ミャクミャク」はダリの「イースターの眼」という作品に似ているということで、パクリ疑惑が浮上しTwitterがわいています。
また、ミャクミャクをデザインした山下浩平さんがTwitterアカウントを削除したことも、Twitterが騒がしくなっている要因のようです。
ただ、この記事を見た人には冷静になり、山下さんへの誹謗中傷や炎上を荒立てるようなことは避けて欲しいと思います。
理由は簡単で、ミャクミャクは先に決まっていたロゴマークを元にデザインされたキャラクターだからです。
なので「ロゴがダリの作品と似ている」という意見は通りますが、原因はミャクミャクではなくロゴです。
ミャクミャクはダリのパクリ?デザインした山下浩平氏への誹謗中傷を避けるべき理由
こちらの記事でもまとめていますが、ミャクミャク誕生には次のステップを踏んでいます。
- 2019年11月29日にロゴマークの公募がスタート
- 2020年8月3日にロゴマークの最終候補が5作品が発表
- 2020年8月25日にロゴマークが決定!ロゴの愛称は「いのちの輝きくん」
- 2021年11月1日に公式キャラクターデザインの公募がスタート
- 2022年3月2日にキャラクターの最終候補が3作品を発表
- 2022年3月22日にキャラクター決定
冒頭でお伝えした通り、先にロゴマークが決まっていました。それがこちらです。
出典:大阪・関西万博公式HP
ロゴの制作者情報
- グループ名:TEAM INARI(チーム イナリ)
- 作者(代表者):シマダ タモツ
- 生年:1965年
- 職業:アートディレクター / グラフィックデザイナー
- グループメンバー:雨宮 深雪(あめみや みゆき) / 大亦 伸彦(おおまた のぶひこ) / 上村 慎也(かみむら しんや)布川 侑己(ぬのかわ ゆうこ) / 藤澤 勇佑(ふじさわ ゆうすけ)
デザインの背景については「大阪万博のキャラクターは誰が決めた?候補やデザイナー、募集要項も」をご覧ください。
で、肝心なキャラクターについては募集や選考の段階でロゴマークを使うことを許可されていました。
〈キャラクターデザインについて〉
キャラクターデザインの制作に関して、発想やアイデアは自由です。
ロゴマークの形を一部含むものやロゴマークから発想したものであっても問題はありません。引用:公募ストック
上記はキャラクター公募の内容です。
出典:大阪・関西万博公式HP
(3)この作品を見て以下のポイント(審査観点)を満たしていると感じましたか?(複数回答可)
①世界中の多くの人から親しまれ、愛されるものであるか
②大阪・関西万博のテーマ・メッセージをとらえ、開催への期待を感じるか
③デザインとして優れ、様々なメディアや媒体で広く活用可能か
④キャラクターデザインとしてオリジナリティがあるか
⑤ロゴマークのデザインやコンセプトとの親和性や協調性があるか引用:大阪・関西万博公式HP
そして、上記は最終候補3つの内からキャラクター決定にいたる意見を募集した際の内容です。
⑤を見ると「ロゴマークのデザインやコンセプトとの親和性や協調性があるか」という項目があります。
ミャクミャクをデザインした山下さんもミャクミャクのデザインにあたり次のようなコメントをしています。
制作意図:
ロゴマークをそのままキャラクターに出来ないかな?というアイデアから生まれました。引用:大阪・関西万博公式HP
つまり、ミャクミャクは先に決まっていたロゴマークを用いたキャラクターであって、キャラデザインの募集要項にも「ロゴマークの形を一部含むものやロゴマークから発想したものであっても問題はない」という前提でデザインされたキャラクターです。
なので、なぜ山下さんが公式Twitterアカウントを削除したのかは分かりませんが、山下さんがダリのデザインをパクったなどと言われるのはあまりに理不尽です。
ロゴとダリの作品が似ているかについては、価値観によると思うので言及しませんが、ミャクミャクのデザイン決定に至るまでの背景を知っていれば、ミャクミャクをデザインした山下さんへの誹謗中傷は減るのではないかと思いまとめました。
まとめ
大阪関西万博の公式キャラクター「ミャクミャク」はダリの「イースターの眼」という作品に似ているということで、パクリ疑惑が浮上しTwitterがわいています。
しかし、ミャクミャクはそもそも目が付いた赤いリングがロゴマークとして先に決まっていて、キャラデザインにおいてロゴマークの使用が認められていました。
つまり、仮にパクリだという批判があるのであれば、それはロゴマークに対してするべきであって、ミャクミャクやデザインした山下浩平さんへの批判をすべきではありません。
間違った認識を広めないためにも、正しい背景を知って欲しいと思い記事を書きました。
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